金属の「角」を、どこまで立たせるか
光を弾き、指を拒まない境界線。
いつもCTSH LIGHT.をご愛顧いただき、ありがとうございます。
今回は、CTSH LIGHT.の製品における「角」についてご紹介します。
照明を選ぶとき、素材や色、形には目が向きやすいものです。
しかし、実際に製品の印象を大きく左右しているのは、もっと細かな部分かもしれません。
そのひとつが、金属の角です。
CTSHのブランド創成期からの定番品である「SQUARE」や「HEXAGON」を語るうえで欠かせないのが、削り出しならではのシャープな佇まいです。
一見すると、鋭く見える輪郭。
けれど、触れたときには不快にならない角の処理。
そのわずかな境界線に、CTSH LIGHT.のものづくりの姿勢が表れています。

■ 1. シェイプを「線」として見せるためのエッジ
削り出し加工の魅力のひとつは、輪郭をはっきりと見せられることです。
金属の角が丸くなりすぎると、形の印象は少しやわらかくなります。
それはそれで魅力がありますが、SQUAREやHEXAGONのような幾何学形状では、輪郭がぼやけて見えてしまうことがあります。
四角は、四角らしく。
六角形は、六角形らしく。
直線は、直線として美しく見えるように。
そのためには、エッジの立ち方がとても重要です。
光が角に当たったとき、細い線のように反射が走る。
その反射によって、形の輪郭がすっと浮かび上がる。
空間に置いたときに凛とした印象が生まれるのは、こうした細部の積み重ねによるものです。
■ 2. 角を落とす「面取り」という工程
金属加工では、角をそのまま残すのではなく、必要に応じて角を落とす「面取り」という工程があります。
面取りには、見た目を整える役割もあれば、触れたときの安全性や心地よさを整える役割もあります。
ただし、面取りを大きくしすぎると、せっかくのシャープな印象が弱くなります。
反対に、面取りが足りなければ、触れたときに鋭さが残り、不快に感じることがあります。
つまり、角はただ丸めればよいわけではありません。
見た目のキレを残すこと。
触れたときのやさしさを残すこと。
その両方を満たす場所を探る必要があります。
■ 3. あえて見せる「C面」
面取りの中でも、角を斜めに削り落とした面を「C面」と呼びます。
C面をあえて大きく見せると、その部分に光が当たり、反射面として美しく働きます。
角そのものを隠すのではなく、デザインの一部として見せる。
すると、金属の表面にもうひとつの面が生まれ、光の表情が増えていきます。
たとえば、多面体のように角度のある形では、C面によって光の反射が細かく変化します。
見る角度によって輝き方が変わり、削り出しならではの立体感が際立ちます。
ただ形を削るのではなく、どこに光を受ける面をつくるか。
そこまで考えることで、金属の表情はより豊かになります。
■ 4. 見た目には鋭く、触れるとやさしい「糸面取り」
一方で、CTSH LIGHT.の製品では、あえて目立たないほど細く角を落とすこともあります。
それが「糸面取り」です。
糸面取りとは、見た目には角がしっかり立っているように見えながら、触れたときには痛さや引っかかりを感じにくい、非常に細かな面取りのことです。
見た目のシャープさを残しながら、指先にはやさしく触れる。
この処理によって、金属の緊張感と、道具としての扱いやすさが両立します。
CTSH LIGHT.の照明は、毎日手で触れ続けるものではありません。
それでも、取り付けるとき、掃除をするとき、ふと手にしたときに、角の処理は確かに伝わります。
シャープなのに、冷たくない。
鋭く見えるのに、触れると馴染む。
その質感をつくっているのが、細部の面取りです。
■ 5. 削りすぎても、削らなすぎてもいけない
角の処理は、とても繊細な工程です。
削りすぎると、視覚的なキレが失われます。
形の輪郭がぼやけ、SQUAREやHEXAGONが持つ幾何学的な美しさが弱くなってしまいます。
一方で、削りが足りなければ、触れたときに不快感が残ります。
金属の鋭さがそのまま残り、暮らしの中で使う照明としては少し緊張感が強くなりすぎます。
だからこそ、角は「攻める」必要があります。
どこまで立たせるか。
どこから落とすか。
どれくらい光を反射させるか。
どれくらい指先にやさしくするか。
その微妙な調整の中に、CTSH LIGHT.のものづくりがあります。
■ 6. 素材によって、角の表情は変わる
同じ形であっても、素材が変われば角の見え方も変わります。
真鍮は、あたたかみのある光を受けながら、角にやわらかな艶が出ます。
ステンレスは、硬質で清潔感のある反射が生まれます。
銅は、素材特有の色味とともに、角の表情にも深みが出ます。
アルミは、軽やかでシャープな印象を持たせやすい素材です。
素材には、それぞれ硬さや粘り、光の反射の仕方に違いがあります。
そのため、すべての素材に同じ角の処理をすればよいわけではありません。
素材がもっとも美しく見える角。
触れたときに心地よい角。
光を受けたときに輪郭がきれいに立つ角。
それぞれの素材に合わせて、エッジの表情を整えていくことが大切です。

■ 「角」に宿る、CTSH LIGHT.のものづくり
金属の角は、とても小さな部分です。
けれど、その小さな部分に、製品全体の印象が宿ることがあります。
角が美しく立っていると、形は凛として見えます。
面取りが丁寧に施されていると、触れたときに安心感があります。
光が角に当たると、削り出しの輪郭が静かに浮かび上がります。
CTSH LIGHT.が大切にしているのは、美しさと使いやすさの両立です。
鋭く見えること。
けれど、触れたときに拒まないこと。
工業製品としての精度がありながら、暮らしの中に馴染むこと。
その境界線を探りながら、私たちは金属の角と向き合っています。
CTSH LIGHT.の製品を手にしたときは、ぜひその角にも目を向けてみてください。
光を受けて走る細い輪郭と、指先に伝わるなめらかさ。
そこには、削り出しの照明ならではの美しさが刻まれています。
■ ここがポイント!
角の役割:
金属の角は、形の輪郭を美しく見せ、空間に凛とした印象を生み出します。
C面とは:
角を斜めに削り落とした面のことです。あえて見せることで、光の反射面が生まれ、金属の立体感が際立ちます。
糸面取りとは:
見た目のシャープさを残しながら、触れたときの痛さや引っかかりを抑える、細かな面取りです。
CTSH LIGHT.の楽しみ:
削り出しのシャープな輪郭と、指先に馴染むやさしさ。その両方が共存する角の処理に、CTSH LIGHT.のものづくりが表れています。
CTSHからのオススメ
エッジが特徴的なSQUARE・HEXAGONはブランド創設時からの定番。様々な素材・表面処理にて展開しています。





